こんにちは、投資経験25年のサラリーマン投資家&FP2級技能士、みつぞうです。
先日の記事で、我が家の専業主婦が運用するiDeCo(イデコ)の運用成績(2021年5月時点)を紹介しました。
順調に含み益が伸びていて、うれしい限りです。
ところで、

iDeCoはどうやって受け取るんだろう?

お得な受け取り方とかあるのかな?
という疑問を感じる人は多いと思います。
iDeCoの始め方はいろいろ紹介されてますが、受け取り方はいまいちよくわからないですよね?
今日は、iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)の受け取り方について、詳しくご紹介します。
この記事を読むと、
- iDeCoはどんな受け取り方がある?
- お得な受け取り方は何?
という疑問が解決します。
簡潔に見やすく書いていますので、忙しい方でもお気軽にご覧ください。
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iDeCoって何?という方は、先に次の記事をご覧ください。
iDeCo(イデコ)には、3通りの受け取り方(受給方法)がある
受給方法 | 受け取り方 | 特徴 |
---|---|---|
一時金 | 全額を一時金で受け取る | ・退職所得控除が適用される ・他に退職金が無いか低額の 場合に有利 |
年金 | 受取期間: 5年~20年(1年刻み) 支給回数: 年間の受け取り回数を指定 (1回~4回、6回、12回) | ・公的年金等控除が適用される ・退職金が高額で退職所得控除の 金額を超える場合などに選択 |
併給 (一時金 +年金) | 一部を一時金で受け取り、 残りを年金で受け取る | ・退職所得控除から退職金を 引いて、控除枠が余る場合に 選択(一時金に適用) ・年金で受給する分は公的年金 等控除が適用される |
iDeCo(イデコ)の受け取り方
iDeCo(イデコ)のお得な受け取り方は?
iDeCoの3つの受給方法について、モデルケースで計算してみましょう。
3つの受給方法において、iDeCoで積み立てた元利合計額は同じとします。
積み立て投資の元利合計金額は年金終価係数を使うと簡単に計算できます。
年金終価係数についてはここで解説しています。
年利5%で15年間、毎年27.6万円を積み立てる場合
年金終価係数(5%、15年の場合) = 21.579
iDeCoの元利合計金額
= 年額27.6万円 × 年金終価係数21.579
= 約595万円
専業主婦(主夫)は一時金で受け取るのがオススメ
専業主婦(主夫)や退職金が少ない会社員は、一時金で受け取るとお得です。
退職所得控除が適用されるので、所得税/住民税は非課税か、課税されたとしてもとても安く抑えられます。
モデルケースで計算してみましょう。
専業主婦がiDeCoを一時金で受け取る場合
- 職業:専業主婦(夫)
- 年収:0円
iDeCoの元利合計金額 = 約595万円
退職所得控除
= 40万円 × iDeCoの積立年数15年
= 600万円
元利合計金額 595万円 < 退職所得控除 600万円
なので、所得税/住民税は非課税
上記のモデルケースでは、iDeCoによる積み立て投資の元利合計額が退職所得控除を下回るため、税金は非課税となりました。
専業主婦(主夫)でありながら退職所得控除を利用できるのは、iDeCoならではのメリットといえます。
退職金が多い会社員は年金がオススメ
勤め先の退職金が退職所得控除を上回る場合は、iDeCoを年金で受け取る方法が考えられます。
60歳で定年退職後、65歳で公的年金を受給するまでの空白の5年間にiDeCoを年金で受給すれば、公的年金等控除を適用して所得税/住民税を抑えられます。
モデルケースで計算してみましょう。
現在の資産を年金として取り崩すときの年額は資本回収係数を使うと簡単に計算できます。
資本回収係数についてはここで解説しています。
会社員がiDeCoを年金で受け取る場合
- 職業:会社員 (勤続38年)
- 退職金:2100万円
- 世帯構成:夫 (65歳)、妻 (62歳/扶養家族)
- 年金収入 (年額):iDeCoの取り崩し分+
企業年金100万円 (他の収入は無し) - 健康保険料 (年額):30万円
- 介護保険料 (年額):6万円
退職所得控除
= 40万円 × 20年 + 70万円 × 18年
= 2060万円(①)
退職所得
=(退職金2100万円 - 2060万円(①))÷ 2
= 20万円
退職所得が195万円以下のときの税率は5%、
控除額は0円なので、
所得税
= 退職所得20万円 × 税率5%
= 10,000円
住民税
= 退職所得20万円 × 税率10%
+ 均等割り額 5千円(仮定)
= 25,000円
税金合計
= 所得税 1万円 + 住民税 2.5万円
= 約35,000円
iDeCoの受け取り方: 年利5%で運用しながら5年間にわたって年金で受給する場合
年金受給時の年額
= iDeCoの元利合計金額 595万円
× 資本回収係数(5%、5年) 0.2310
= 約137万円
年金収入
= iDeCoの年額 137万円
+ 企業年金 100万円 = 237万円
公的年金等控除額 (年金収入330万円以下の時)
= 110万円
雑所得(年金)
= 年金年額 237万円
- 公的年金等控除 110万円 = 127万円
所得控除 = 基礎控除 48万円
+ 配偶者控除 38万円
社会保険料控除 36万円 = 122万円
課税所得 = 雑所得(年金) 127万円
- 所得控除 122万円 = 5万円
所得税 = 5万円 × 税率5% = 2500円
所得控除 = 基礎控除 43万円
+ 配偶者控除 33万円
= 社会保険料控除 36万円 = 112万円
課税所得 = 雑所得(年金) 127万円
- 所得控除 112万円 = 15万円
住民税 = 15万円 × 税率10%
+ 均等割り額 5千円(仮定)
= 20,000円
税金合計 = 所得税 2500円
+ 住民税 20,000円 = 約22,500円
上記のモデルケースでは、iDeCoと企業年金を合わせた総年金収入から、公的年金等控除を引いた雑所得に対して、所得税と住民税がかかります。各種控除後の課税所得が少ないため、所得税と住民税の合計額は22,500円となりました。
公的年金の受給が始まる前にiDeCoの年金受給を行えば、税額を抑えることができます。
退職金で退職所得控除が使いきれない人は、併給がオススメ
会社員がiDeCoを併給(一時金と年金)で受け取る場合
- 職業:会社員(勤続38年)
- 退職金:
1700万円+iDeCoの一時金360万円 - 世帯構成:夫(65歳)、妻(62歳/扶養家族)
- 年金収入(年額):
一時金を除いたiDeCoの年金給付分
+企業年金100万円(他の収入は無し) - 健康保険料(年額):30万円
- 介護保険料(年額):6万円
退職所得控除
= 40万円 × 20年 + 70万円 × 18年
= 2060万円
退職金総額 = 退職金1700万円
+ iDeCoの一時金360万円
= 0万円
退職所得総額 2060万円 = 退職所得控除 2060万円
なので、所得税/住民税は非課税
年金iDeCoの年金分
= iDeCoの元利合計金額 595万円
- 一時金分360万円 = 235万円
年金受給時の年額 = iDeCoの年金分 235万円
× 資本回収係数(5%、5年の場合) 0.2310
= 約54万円
年金収入
= iDeCoの年額54万円 + 企業年金100万円
= 154万円
公的年金等控除額(年金収入が330万円以下の時)
= 110万円
雑所得(年金) = 年金年額 154万円
- 公的年金等控除 110万円
= 44万円
所得控除
= 基礎控除48万円 + 配偶者控除38万円
+ 社会保険料控除 36万円
= 122万円
雑所得(年金) 44万円 < 所得控除 122万円
なので、所得税は非課税
所得控除
= 基礎控除43万円 + 配偶者控除33万円
+ 社会保険料控除 36万円
= 112万円
雑所得(年金) 44万円 < 所得控除 112万円
なので、住民税も非課税
上記のモデルケースでは、iDeCoの一時金を退職所得控除を超えない金額で受け取り、残りを年金で受け取る例を示しました。
これにより、勤め先の退職金、iDeCo、企業年金を非課税で受け取ることができました。
まとめ
- iDeCoの受給方法は、一時金、年金、併給(一時金+年金)の3通りがある
- 退職金の有無や金額、他の年金収入の金額に応じてiDeCoの受給方法を決めるのがオススメ
- 年金で受給するときは、公的年金の受給が始まる前に受給するのがオススメ
いかがでしたか?
今回は、iDeCo(イデコ)の受給方法について、ご紹介しました。
退職金や年金については、勤め先の制度やこれまでの納付状況によって、人それぞれ給付額が異なります。
特に退職金や企業年金については、勤め先の制度をよく確認されることをお勧めします。
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本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
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