こんにちは、投資経験25年のサラリーマン投資家&FP2級技能士、みつぞうです。
前回の記事で、配当控除について紹介しました。
配当控除によって、配当にかかる税金が節税できることについて、お分かりいただけたと思います。
ところで、
配当控除で配当の税金が節税できるのはわかったけど、
具体的にいくらぐらい節税できるのかな?
という疑問を感じる人は多いと思います。
税率が何%安くなると言われても、具体的な金額を聞かないと、いまいちピンとこないですよね?
今回は、配当収入の有り無し、配当控除を使用する/しないで、税金がどのように変わるかを比較した結果を、ご紹介します。
この記事を読むと、
- 配当控除で具体的にいくらぐらい節税できるの?
という疑問が解決します。
簡潔に見やすく書いていますので、忙しい方でもお気軽にご覧ください。
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「年金だけ」と「年金+配当」で総収入が同じ場合、税金はどう変わるの?
はじめに、モデル世帯を設定します。
このモデル世帯の例で具体的に税金を計算してみます。
年金収入350万円の所得税・住民税は?
年収を年金だけで350万円受け取った時の所得税・住民税を計算します。
年金収入:350万円
総所得:350万円 ー 公的年金等控除 115万円 = 235万円
所得控除:
基礎控除48万円 + 配偶者控除38万円 + 社会保険料控除36万円 + 地震保険控除5万円
= 127万円
課税所得:総所得235万円 ー 127万円 =108万円
所得税額:課税所得108万円 × 税率5.105% ー 控除額0円 = ¥55,134
※復興特別所得税を含む
※税率と控除額は、課税所得195万円未満の場合の値
所得税は、¥55,134となりました。
次に住民税について、横浜市の場合で計算します。
年金収入:350万円
総所得:350万円 ー 公的年金等控除 115万円 = 235万円
所得控除:
基礎控除43万円 + 配偶者控除33万円 + 社会保険料控除36万円 + 地震保険控除5万円
= 117万円
課税所得:総所得235万円 ー 117万円 =118万円
所得割額:課税所得118万円 × 税率10.025% ー 調整控除額5千円 = ¥113,200(百円未満は切り捨て)
均等割額:¥7,400
住民税額:所得割額¥113,200 + 均等割額¥7,400 = ¥120,600
住民税は、¥120,600となりました。
所得税と住民税の合計額は、¥175,734 となります。
住民税って高いのね。びっくりしたわ。
課税所得が195万円未満だと、所得税の税率が5%になるので、住民税が高く感じますね。
年金300万円、配当50万円の収入の所得税・住民税は?
次に、同じ年収で年金が300万円、配当が50万円の場合の税金はどうなるでしょうか?
年金収入:300万円
総所得:300万円 ー 公的年金等控除 102.5万円 = 197.5万円
所得控除:
基礎控除48万円 + 配偶者控除38万円 + 社会保険料控除36万円 + 地震保険控除5万円
= 127万円
課税所得:総所得197.5万円 ー 127万円 =70.5万円
所得税額:課税所得70.5万円 × 税率5.105% ー 控除額0円 = ¥35,990
※復興特別所得税を含む
※税率と控除額は、課税所得195万円未満の場合の値
所得税は、¥35,990となりました。
次に住民税について、横浜市の場合で計算します。
年金収入:300万円
総所得:300万円 ー 公的年金等控除 102.5万円 = 197.5万円
所得控除:
基礎控除43万円 + 配偶者控除33万円 + 社会保険料控除36万円 + 地震保険控除5万円
= 117万円
課税所得:総所得197.5万円 ー 117万円 =80.5万円
所得割額:課税所得80.5万円 × 税率10.025% ー 調整控除額5千円 = ¥75,700(百円未満は切り捨て)
均等割額:¥7,400
住民税額:所得割額¥75,700 + 均等割額¥7,400 = ¥83,100
住民税は、¥83,100となりました。
配当については、特定口座(源泉徴収あり)なら、源泉徴収されます。
源泉徴収の税金計算は次のとおりです。
配当収入:50万円
課税所得:50万円
所得税:50万円 × 15.315% = ¥76,575
住民税:50万円 × 5% = ¥25,000
配当にかかる合計税額 = ¥76,575 + ¥25,000 = ¥101,575
年金の所得税¥35,990と住民税¥83,100に、配当から源泉徴収された税金¥101,575を加えると、¥220,665となります。
年金収入だけで350万円のときより¥44,931も高くなったわ。
これなら、配当じゃない方がよくないかしら。。。
確定申告で配当控除を受けていないのが原因です。心配ありませんよ!
「年金+配当」の場合、配当控除を使うと、税金はどう変わるの?
年金300万円、配当50万円の収入で、配当控除を使ったときの所得税・住民税は?
それでは、年収で年金が300万円、配当が50万円の場合で、確定申告をして配当控除を受けたときの税金はどうなるでしょうか?
年金収入:300万円
年金所得:300万円 ー 公的年金等控除 102.5万円 = 197.5万円
配当所得:50万円
総所得:年金所得197.5万円 + 配当所得50万円 = 247.5万円
所得控除:
基礎控除48万円 + 配偶者控除38万円 + 社会保険料控除36万円 + 地震保険控除5万円
= 127万円
課税所得:総所得247.5万円 ー 127万円 =120.5万円
配当控除額:50万円 × 10% = 5万円
所得税額:課税所得120.5万円 × 税率5.105% ー 控除額0円 ー 配当控除5万円 = ¥11,515
※復興特別所得税を含む
※税率と控除額は、課税所得195万円未満の場合の値
所得税は、¥11,515 となりました。
次に住民税は、年金収入が300万円の場合と同じで、¥83,100 です。
年金収入:300万円
住民税額:所得割額¥75,700 + 均等割額¥7,400 = ¥83,100
また、源泉徴収の税金は、確定申告をしない場合と同じです。
所得税:50万円 × 15.315% = ¥76,575
住民税:50万円 × 5% = ¥25,000
配当にかかる合計税額 = ¥76,575 + ¥25,000 = ¥101,575
結果として、年金の所得税と住民税の合計額¥94,615に、配当の源泉徴収された住民税分¥25,000を加えた、¥119,615が支払うべき税額です。
配当と年金の源泉徴収額の合計額が¥119,615を超えた分は、還付(返金)されます。
確定申告をしなかった場合と比べると、¥101,050 の節税ができます。
また、年金だけで350万円の場合と比べても、¥56,110 税金が安くなります。
ええー、こんなに違いが出るの?
驚いたわね。こんなにたくさんの税金を余分に取られてしまうのね。
税金のことも、しっかり勉強しなくちゃね!
公的老齢年金の平均受給額は242万円(*)ですので、これに企業年金を加えたとして年収300万円というのは、平均的な金額と言えます。この年収だと、所得税率が5%ですので、配当収入がある方は、確定申告を行わないと損ですね。
* 厚生年金保険・国民年金事業年報(厚生労働省)より
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まとめ
- 年金収入350万円のときの税金: ¥175,734
- 年金300万円、配当50万円で、確定申告をしないときの税金: ¥220,665
- 年金300万円、配当50万円で、確定申告をして配当控除を受けるときの税金: ¥119,615
いかがでしたか?
同じ年収でも、一部が配当の場合は、確定申告で配当控除を受けると大幅に節税できることを、実感していただけたと思います。
今回は、配当控除について、モデルケースでの具体的な数値をご紹介しました。
確定申告は、会社員にとって、税金を減らせる可能性のある大切な権利です。
そして、配当は年金生活者にとって自分で準備可能な終身年金であり、自分が死んだ後も配偶者の年金としても機能する夫婦の終身年金なのです。
皆さんも、小額からでも高配当の株式に投資して、定年退職後に配当を受け取れるように準備されてはいかがでしょうか?
私は、月10万円の配当収入を目標に、高配当株式投資を続けていきたいと思っています。
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本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
次の記事も配当控除について役立つので、参考にしてみてください。
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