こんにちは、投資経験25年のサラリーマン投資家&FP2級技能士、みつぞうです。
退職金に税金がかかるって聞いたけど、いくらぐらい引かれるのかな?
定年退職後の生活設計のためにもしっかり把握しておきたいわね!
今回は、退職金にかかる所得税/住民税の計算のしかたについて、図を使って分かりやすく説明したいと思います。
この記事を読むと、
- 退職金にかかる税金のしくみ
- 退職金にかかる所得税/住民税の計算のしかた
がわかります。
簡潔に見やすく書いていますので、忙しい方でもお気軽にご覧ください。
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退職金にかかる所得税/住民税のしくみは意外とカンタン!!
退職金にかかる所得税/住民税のしくみを図解!
退職金にかかる所得税と住民税のしくみを図に表しました。
画像をタッチ(クリック)すると拡大します。
ことばの意味
- 収入: 税金や必要経費を引く前の金額
- 所得: 収入から必要経費を引いた金額
- 退職金収入: 退職金として受け取った収入(税引前)の金額
所得税/住民税の計算のしかた
ここでは、退職金にかかる所得税/住民税を計算する方法の概要を説明します。
所得税を計算する手順は次の通りです。
出所
・退職金と税(国税庁)
・平成25年1月1日以降の退職所得に対する住民税の特別徴収について(総務省)
おことわり
・勤続年数5年以下の役員/役員以外の退職金については省略します。
・所得税には復興特別所得税が含まれますが、ここでは省略します。
- 退職金収入を求める
- 一時金として受け取る退職金収入です。
- 退職一時金のほか、一時金で受け取る確定給付年金や確定拠出年金(iDeCoを含む)があれば、それらも含めます。
- 退職所得控除を求める
- 上記の表により勤続年数に応じた計算方法で退職所得控除(B)を求めます。
- 大学卒業後22歳で入社して38年間勤務後に退職する場合は、次の式で求めることができます。
退職所得控除 (B)
= 800万円
+ 70万円 × (38年 ー 20)
= 2060万円
- 勤続年数に1年未満の端数があるときは1年として計算します。
- 計算の結果80万円未満となった場合、退職所得控除額は80万円となります。
- 障害者になったことを理由に退職した場合は、上記の計算結果に100万円を加算します。
- 課税所得を求める
- 次の計算式により課税所得を求めます。
課税所得 (C)
=(退職金収入(A)
ー 退職所得控除(B))
× 1/2
- ここで求めた課税所得から所得税と住民税を計算します。
- 次の計算式により課税所得を求めます。
- 所得税の税率と控除額を求める
- 上の表より、課税所得(C)に応じた所得税の税率と控除額を求めます。
- 上の表より、課税所得(C)に応じた所得税の税率と控除額を求めます。
- 所得税の税額を求める
- 前のステップで求めた所得税の税率と控除額を用いて所得税額を算出します。
所得税額
= 課税所得(C) × 税率
ー 控除額
- 前のステップで求めた所得税の税率と控除額を用いて所得税額を算出します。
- 住民税の税額を求める
- 上で求めた課税所得に税率を掛けて住民税額を算出します。
住民税額
= 課税所得(C) × 税率10%
- 住民税の税率は市民税と県民税を合わせて10%です。
- 上で求めた課税所得に税率を掛けて住民税額を算出します。
- 所得税と住民税の合計額を求める
- 上で求めた所得税と住民税を合計すれば、退職金にかかる税金が求められます。
モデルケースで退職金の所得税/住民税を計算してみよう!
モデルケース1(勤続年数38年)の所得税/住民税の計算
- 退職金収入を求める
退職金収入 = 2000万円
- 退職所得控除を求める
退職所得控除
= 800万円 - 70万円 × (38年 - 20)
= 2060万円
- 課税所得を求める
課税所得
= (2000万円 - 2060万円) × 1/2
= 0万円
退職金収入より退職所得控除が大きいため、非課税となります。
モデルケース2(勤続年数20年)の所得税/住民税の計算
- 退職金収入を求める
退職金収入 = 1000万円
- 退職所得控除を求める
退職所得控除 = 800万円
- 課税所得を求める
課税所得
=(1000万円 - 800万円)× 1/2
= 100万円
- 所得税の税率と控除額を求める
前記の「所得税の税率と控除額」表に上で求めた課税所得を当てはめます。
所得税の税率:5%
控除額:0円
- 所得税の税額を求める
所得税の税額
= 課税所得100万円 × 税率5% - 控除額0円
= 5万円
- 住民税の税額を求める
住民税の税額
= 課税所得100万円 × 税率10%
= 10万円
- 所得税と住民税の税額を合計する
合計税額 = 5万円 + 10万円 = 15万円
退職金にかかる税金の支払いかた
「退職所得の受給に関する申告書」を勤め先に提出すれば、税金は源泉徴収される
退職金にかかる税金(所得税と住民税)は、勤め先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出することで源泉徴収されますので、確定申告をする必要はありません。
「退職所得の受給に関する申告書」 を提出しないとどうなる?
勤め先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合、退職収入額の20.42%の所得税/復興特別所得税が源泉徴収されます。
住民税については、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合でも、前述の計算方法で算出した税額(課税退職所得の10%)が源泉徴収されます。
したがって、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合は、確定申告を行わないと税金の取られ損になります。必ず確定申告を行って還付金を受け取りましょう。
まとめ
退職金にかかる所得税/住民税の計算手順
- 退職金収入を求める
- 退職所得控除の金額を求める
- 退職金収入から退職所得控除を引き、さらに1/2して課税所得を求める
- 課税所得から所得税の税率と控除額を求める
- 課税所得に税率を掛け控除額を引いて所得税額を求める
- 課税所得に住民税の税率10%を掛けて住民税額を求める
- 所得税額と住民税額を足して納付税額を求める
いかがでしたか?
今回は、退職金にかかる所得税/住民税のしくみと計算のしかたについて、ご紹介しました。
「退職所得の受給に関する申告書」を勤め先に提出すれば税金は源泉徴収されますので、確定申告の必要はありませんが、定年退職後の生活設計の参考に一度確認することをお勧めします。
本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
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