こんにちは、投資経験25年のサラリーマン投資家&FP2級技能士、みつぞうです。
以前、高配当株式の配当収入でインフレの準備ができることを、紹介しました。
そしてこの記事の最後に、「配当収入を得たら、翌年は必ず確定申告をしましょう!」とお伝えしました。
お待たせしました。今回は、配当収入にかかる税金を節税できる、配当控除についてご紹介します。
ところで、
確定申告って難しいんでしょ?
私にできるかしら・・・
苦労して書類を作って、税務署に行っても、大して節税にならないんじゃないの???
という不安や疑問をいだく人は多いでしょう。
経験がない人にとって、確定申告は難しそうで敬遠したくなりますよね?
でも、そんな心理が税金を取り立てる側の思うツボなのです。
今どきは確定申告もネットでできますよ!
前年のデータを流用したり、Excelに入力したファイルを読み込ませたり、便利になりました。
この記事を読むと、
- 株式の配当には、どんな税金がかかるの?
- 配当控除って何?どのぐらい節税になるの?
- 確定申告って難しくない?
という疑問が解決します。
簡潔に見やすく書いていますので、忙しい方でもお気軽にご覧ください。
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株式の配当にかかる税金って何?
株式の配当には、所得税と住民税がかかります
株式の配当金には、所得税と住民税がかかります。
また、令和19年までは復興特別所得税がかかります。
税率は次の通りです。
- 所得税: 配当金額の15.315%(復興特別所得税(所得税の税額の2.1%)を含む)
- 住民税: 配当金額の5%
20.315%も税金で持っていかれるのね・・・
特定口座(源泉徴収あり)の場合、配当から20.315%の税金が源泉徴収される
株式の保有口座が、源泉徴収ありの特定口座なら、配当金額の20.315%が源泉徴収されます。
自分の口座に入金されるのは、配当金の8割弱なのです。
税金は源泉徴収でちゃんと払っているので、確定申告をする必要はありません(と国税庁は言います)。
しかし、本来払うべき金額よりも多く、税金を払わされているのです(税収が増える国税庁は何も困りません)。
必要な税は払うけど、余分に払う必要はないですよね!
確定申告をして取り返しましょう!!
配当控除を利用して、払い過ぎた税金を取り返そう!
配当控除って何?
株式の配当金は二重課税されてる!?
株式の配当金とは、投資した会社が利益を上げたときに、その利益の一部を株主に配分するものです。
会社は、利益から法人税や所得税などの税金を引いた残りを配当金として株主に支払います。
一方、株主側は20.315%の税金が源泉徴収されます。
つまり、会社の利益に対して二重に課税されていることになります。
株式の配当金が二重課税されていると言われるのは、このためです。
配当控除は、この二重課税を調整する意味で設けられた制度なのです。
配当控除を利用して確定申告すれば、配当にかかる所得税を5%減らせる!
まず、配当に対する課税のしかたは3つあり、好きな方法を選ぶことができます。
課税方法 | 特長 |
---|---|
確定申告しない (源泉徴収のまま) | ・税率は、20.315%(所得税と住民税) |
総合課税 (確定申告する) | ・給与や年金などの他の収入と一緒に課税する ・配当控除が受けられる |
申告分離課税 (確定申告する) | ・給与や年金などの他の収入と区別して課税する ・税率は、20.315%(所得税と住民税) ・他の株式などの利益や損失と合算してトータルの利益に対して課税する(損益通算) |
今回は、配当控除の紹介ですので、以降は、総合課税で確定申告を行うケースについて、ご説明します。
総合課税の税率は、所得金額によって変わります。
以下の表は、課税所得ごとの税率と配当控除率、実質税率を示しています。
配当に対して源泉徴収される所得税は、復興特別所得税を合わせて15.315%です。
それに対して、課税所得が900万円以下の場合は、実質税率が15.315%を下回ります(表中の赤字の部分)。
つまり、これに該当する方は、配当控除によって税金を取り戻せるということです。
課税所得が900万円を上回るには、1300万円以上もの総所得が必要ですので、一般的な会社員の多くは配当控除によって節税できる可能性が高いです。
一方、住民税はどうでしょうか?
上の表からわかるように、住民税は総合課税で配当控除を適用しても、源泉徴収税率を上回ってしまいます。
所得税で税率が下がっても、住民税で税率が上がったら、
かえって税金が増えちゃうんじゃないの!?
そう思われるのも無理はありません。
【Point】住民税は「申告不要」にすれば、税率5%のままにできる
実は、課税方式は、所得税と住民税で別々に選択できるのです。
2024.3.10追記: 2024年の確定申告より、課税方式は所得税と住民税で同じ方式を選ばなければならなくなりましたので、以下のメリットはなくなりました。
配当控除を利用するかどうかは、住民税の税率が上がることを考慮して、判断する必要がありますので、ご注意ください。
つまり、所得税は「総合課税」を選択して配当控除を適用し、住民税は「申告不要」を選択するのです。
そうすると、
課税所得が500万円の場合
所得税: 10.210% (「総合課税」で配当控除を適用。復興特別所得税を加えた税率)
住民税: 5% (「申告不要」を選択。源泉徴収の税率のまま)
合計の税率:15.210% (源泉徴収の税率20.315%より5.105%節税可能)
のように、所得税と住民税の合計税率が源泉徴収の税率を下回り、節税が可能となります。
もっと効果的なのは、次の場合です。
課税所得が330万円の場合
所得税: 0% (「総合課税」で配当控除を適用。所得税+復興特別所得税が非課税)
住民税: 5% (「申告不要」を選択。源泉徴収の税率のまま)
合計の税率:5% (源泉徴収の税率20.315%より15.315%もの大幅な節税が可能)
課税所得が330万円以下の場合は、所得税が非課税になり、配当にかかる税金は住民税の5%だけになります。
確定申告をして、配当控除を適用するだけで、実に15.315%もの所得税の還付を受けることができるのです。
繰り返しになりますが、所得税の配当控除を受けるときは、住民税は必ず「申告不要」の手続きをしてください。
確定申告書の写しと印鑑を持って、住所地の役所の税務課に行き、「配当所得」を「申告不要」にしたい旨伝えれば、記入のしかたを教えてくれるはずです。
それを忘れた場合の注意点としては、
配当に対する住民税の税率が上がり、所得税と住民税の合計税率が、源泉徴収の税率を上回ってしまう可能性がある。住民税の収入をもとに計算する国民健康保険などの保険料が上がる可能性がある。
ということです。
住民税を「申告不要」にすれば、これらの心配はありませんので、忘れないように手続きすることが重要です。
確定申告って難しくない?注意点はあるの?
配当控除のメリットや、使わないのは損だということはご理解いただけたかと思います。
ところが、確定申告をやったことがない方にとっては、確定申告が大きなハードルになっているかもしれません。
しかし、2019年からはスマホからでも確定申告ができるようになったのを、ご存知でしょうか?
スマホから確定申告ができるなんて、全然知らなかったわ。
スマホやパソコンからの申告は、「e-Tax(イータックス)」という電子申告・納税システムを使います。
「ID・パスワード方式」という方式を使えば、特別な機器がなくても、ネットで確定申告ができます。
ただ、事前に税務署に出向き、本人確認書類を提示して、IDとパスワードを発行する必要がありますので、余裕を持って準備しておきたいところです。
私は、確定申告の時期になると、毎年住所地の役所が開く「確定申告書作成会場」に行って申告していましたので、ある年、その会場でIDとパスワードを発行してもらいました。
IDとパスワードの発行ができたら、いよいよ確定申告書の作成です。
源泉徴収表などの収入を証明する書類、株式の配当金の支払いを証明する書類など、必要書類を準備して、国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスしましょう。
国税庁 確定申告書等作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
スマホからできるのなら、一度挑戦しようかな!
後は画面の案内に従って、必要事項を入力するだけです。
国税庁の確定申告特集などのサイトでは、動画の説明などわかりやすい説明がありますので、参考にして申告しましょう。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/tvcm.htm
難しくないかしら?
動画の説明や、入力画面の図を使ったていねいな手引書があるので、大丈夫ですよ。
もし不安なら、確定申告の時期に開かれる「確定申告書作成会場」に出向いて、税務署の人に一緒に作ってもらうこともできます。
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まとめ
いかがでしたか?
今回は、株式の配当収入にかかる所得税を、確定申告の配当控除で取り返すことについて、ご紹介しました。
- 株式の配当にかかる税金(所得税、住民税)のしくみと税率
- 配当控除とそのメリット
- 確定申告がスマホで簡単にできるようになっていること
などをご理解いただけたと思います。
私は、以前から確定申告をしています。
子どもが生まれたときや、歯の矯正治療費を支払ったとき、住宅を購入した時などは、必ず確定申告をしました。
近年は、配当控除のためだけに確定申告をします。
2019年は、配当控除により6万円近いの税金を取り返すことができました。
税制は、徴収する側が有利な制度になっています。
税を支払う側は、取られすぎていたら取り返せるように、制度をよく理解することがとても重要です。
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本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
次の記事も配当控除について役立つので、参考にしてみてください。
【配当控除】配当所得に対する住民税の「申告不要」が確定申告書で完結!
【老後の生活費】年金300万円と配当50万円。配当控除で節税できる金額は? | 配当控除のススメ
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